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WORDS

-それ以外に抽象しようのない-

無視して無私

配慮

無視して無私

 

 求不得苦を感じたなら、欲しいものの価値を認めなければいい。欲しくないものなら、得られなくとも苦しくはないからだ。
 もしも誰かに要求をして断られることを恐れるならば、そのような望みを捨ててしまえばいい。そうすれば君は決して誰かに断られるということがないので,負けることもないだろう。


 君は橋の上に立っている。橋の上に立って,ヴィランと対峙している。君の対峙するヴィランは,片方の腕で満員のバスを持ち上げ(ヴィランの腕力ときたらそれはもう凄いものだ),もう片方の腕でヒロインを抱きかかえている。そしてヴィランは,橋の片側へとバスを放り投げ、もう一方の側へはヒロインを投げ落とす。片方を救えば、もう片方は救われないだろう。君は公正無私なヒーローなので,私情にとらわれてはならない。なので君は,君にとってヒロインの持つ特別な価値を全く無視してしまえばいい。そうすると迷わずバスの乗客を救うことができるので、君はヒーローとしての論理を一貫する。君はヒーローとして勝利する。

 

 君はヒーローとして勝利するために,君の感じる何かが持つ特別な価値を無視するかもしれないが,口で「価値を無視する」と言い,実際にその何かを犠牲にして勝利を獲得したとしても,君の身体がその価値を全く感じていないということはあるのだろうか?
 中学生が特定の同級生の発言を無視するかのような,それと同じ感覚で,「実際には感じているもの」を無視するのだ。視界の端でちらほらする影に焦点を当てることなく。あるいは見方によって燭台であったり向かい合う人間の横顔であったりする1つのイラストを,実は両方の見方ができると知っているにも関わらず,1つの見方だけで見続けるような。

 

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