読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

WORDS

-それ以外に抽象しようのない-

いくつかの映像作品を観て

いくつかの映像作品を観て

 

1 現在,映画「最後の追跡」(原題:Hell or High Water)を鑑賞中です。批評家から大変評価され,先月のアカデミー賞でも作品賞を含む4部門にノミネートされた作品のようですが,なぜか日本では劇場公開されませんでした。どういった理由からでしょうか。

 私はこの映画を配信しているNetflixで鑑賞しています(スマホで見ているため画面が大変小さいのが残念)。一通り目を通したのですが集中していなかったのでもう1度観ます。

 

2 公開中の「SING/シング」を観ました。誰かと連れ立って映画館へ行くのは大変珍しいことでした(50回に1回くらい?)。

 「擬人化度」という観点から,映像作品における動物の描きかたには何種類かあると思います。

 「擬人化度」がほとんどゼロなのは,ドキュメンタリー映画です。Googleで「動物 ドキュメンタリー 映画」で検索するといくつかサジェストされます。https://www.google.co.jp/search?client=safari&rls=en&q=動物 ドキュメンタリー 映画&ie=UTF-8&oe=UTF-8&gfe_rd=cr&ei=csfVWKHuF9fA1ATFs5WwDQ

 今回観た「SING/シング」は「擬人化度」が最高の部類だと思います。というのは,動物たちは(脚があるものは)二足歩行するのはもちろん,服装や社会生活の営みかた,表情や感情まで,人間と一緒です。他には最近だと「ズートピア」などもこの部類だと思います。

 「擬人化度」最低のものと最高のものとの中間としては,例えば「ライオン・キング」「ジャングル大帝」や「バンビ」のように,リアルな動物の目と感情・表情だけ人間的なものに置き換えた作品があると思います*1

 

 ドキュメンタリー映画における動物は,人間とは異なる生物,いわば「観察対象」として描かれます。したがって,姿形や生態にデフォルメや勝手な改変を加えず「ありのまま」を描くことが目指されます。一方で動物の「ドラマ」を描くさいには「感情や心情を描写したい」と考えます。すると例えば「動物に喋らせる」ということを考えるのですが,姿形はリアルなままで,人間の言葉を喋るのもどうも不自然に思えます。なので二足歩行をさせたり,人間に似た目をつけたり,人間と同じ表情をさせたりといったデフォルメがされます。

 難しいのは,「リアル」な動物の元来持つ特徴を保ったまま,人間的な要素を折衷させることだと思いました。

 

3 Netflixで「四畳半神話大系」を3周ほど観ました。原作・アニメ共にオリジナリティを感じます。一般的な枠組みを用いたり比較検討することによってではなく,固有のものとして語ったほうが良さそうな気がします。

 

4 Netflixで「言の葉の庭」を観ました。

 映像について。人間はデフォルメされている一方,モノはリ写実的です。ビル群や電車等はカメラが回り込むようにパンして多角的に描かれますが,面倒なのか草木は一面的です。また草木は多くのシーンで雨風に影響されない点は,ジブリの動的な映像とは異なると思いました。新宿御苑や山手線・総武線・湘南新宿ライン伊右衛門といった実在のものが描かれるのも特徴です。また,つねに画面には光が溢れていますが,私は少し過剰だと思いましたけれど,あれが好きな人もいると思います。 

 ストーリーは駆け足です。でも映像に注力しているため,これ以上ストーリーを細かくしようとすると,時間・資金・労働力が不足するのではないでしょうか。

 音楽含め,全体的に「鑑賞者を感動させよう」という意図を私は観てとりました。

*1:ところで「擬人化度」と,作品における人間の登場の有無には何か関連はあるのでしょうか?