映画『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(2014米)

"BiRDMAN OR (THE UNEXPECTED ViRTURE OF iGNORANCE)"

Directed by ALEHANDRO GONZAREZ INARRITU

 

 これは「連続性」の映画だ。言い換えるならば「なめらか」「グラデーション」「シームレス」。

 ・舞台の「表」と「裏」

・俳優の「イメージ」と「素顔」

・映画業界の「表」と「裏事情」

・主人公の「現実」と「妄想」

これらのような2つの対比される事柄が,長回し風の編集によってなめらかに連続し,どこからどこまでがAで,どこからどこまでがAに対立するものであるのか,はっきりとわからない。

  

 二項対立する事柄をなめらかにつなぐのは,編集の方法だけではない。台頭するメディアにSNSが,かつては理想的な存在であった俳優の「素顔」や作品の「裏事情」を卑近に見せる。

 

 サントラも「連続的」だ。サントラを演奏する人間が,劇中に実際に姿を見せる。サントラと,劇中との境界線が曖昧になる*1

 

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「メディア」は『バベル』においてキーだった。『バベル』では,異なる複数の地域それぞれで登場人物たちの体験を描いていた。ある地域の登場人物が体験する出来事が,別の地域のテレビなどの情報とは異なるものになっている。そういう情報の矛盾があった。

 

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イニャリトゥはしばしば「魂」や「幽霊」のような超自然的存在を劇中に登場させる。

特に『21g』『ビューティフル』『レヴェナント』でそうだった。

 

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この映画のタイトルに,何か意味は あるのだろうか。

*1:アイズ・ワイド・シャット』の冒頭や,『インセプション』におけるEditt Piafの「水に流して」の使い方が想起される。